どん底脱出

岡本太郎の若い時の逸話なんですが、

太平洋戦争中、軍隊に入れられて、

毎日毎日厳しい訓練をうけて、灰色一色の日々のなかで、

ある日、ほふく前進の訓練してるときに一輪の花が咲いていて、

その花に猛烈に感動した。

ってはなしがあるんですが、


僕もインドで似たような経験をしたことがあるんです。


長い間旅してると、「沈没」ってやつがあるんです。

あんときは、インド滞在もうすぐ半年ってときでした、

イラク戦争とか、SARSとかで、なんかもうめちゃくちゃで、

ただでさえカオスやのに、さらにぐるぐるのニューデリーで、しかもメインバザールでみごとに沈没、、、

最初のうちは、ニューデリーの刺激はものすごくて、見るもん会う人全部が新鮮やったんですが、

慣れってのは恐ろしもので、そのうちそれが普通になってしまうんですね。

無関心無感動、そのまま大都会の廃退的なとこに落ち込んでいって、、、

もう灰色の一色で、最初の輝きなんてまったくなくて、

もうなにも考えられず、思考停止。

このままやったら、ほんまにヤバイ!!

ってなんとか、ダラムシャラーに逃げるように行ったのやけど、

ダラムシャラーでも、廃退的な生活から抜け出せんくて、、、

そんな時に、「 Vipassana」を知るんです。

「 Vipassana」ってのは、ミャンマー小乗仏教のながれの瞑想のコースで、

10日間、誰ともしゃべってはだめで、朝4時起きで、一日中ひたすら瞑想。

これやこれに、行こう!!

って思ったんですが、なかなかいけなくて、、、

結局、廃退的なかなりヤバイ日々を送ってたんですね。

そこで、ひとりの女性に出会ったんです。

その女性に出会って衝撃をうけ、俺は何してるんやーってなって、

ほんまに一気に目が覚めたんです。

その勢いで、「 Vipassana」に行って、

苦しかったけど、10日間、ほんまにまじめに瞑想したんですね、

それで、コースから出てきたら、、、

色を見、音を聞く刹那。

世界がキラキラ!!

その帰り道に、道ばたに一輪花が咲いてたんですが、

うっわー花ってこんなに奇麗なんや!!って猛烈に感動したんです。

それからは、もう一直線、どん底脱出。

そのきっかけをくれたのは、その女性なんです。

今でも、感謝してます。

彼女は当時、英語とかペラペラで、

カルカッタにあるマザーハウスの日本人受け入れのスタッフしてたんですね、

そこの話や、インドで大地震あったときの現地の救助活動の話とか聞いて、

そんな生き方があるんや!!って感動したんです。

その当時は、これからヨルダンに行くって言っていて、

イラクでの民間の援助活動するって話してたんですね。

それで、彼女が拉致されたことを知ったのは、日本に帰ってから、

TVのニュース見てびっくり!!

無事解放されたときは、うれしかったなー

その後のメディアによる「自己責任」バッシングにはもう腹が立って腹が立って、

ほんまは彼女がやっていた、イラクでのストリートチルドレンに対する活動内容はすばらしくて、

フランスのメディアなんて、日本人は彼女の存在を誇るべきだって言ってるのに、

しかも彼女の活動を知ってる現地のイラク人たちが、解放にむけて動いてたはなしとか、

犯人グループが最後に、お詫び?として貴重なはちみつくれたはなしとか、

実際は、操作されてるレッテルとはぜんぜんちがうねん!!

しかも、彼女は米軍がイラクで何してるか、経験してる、なまの生きた情報、

劣化ウラン弾の影響とか、誤爆の被害とか、

戦争は、ほんまにえぐい。


イラクでの戦争が、石油の利権のためやったとしたら、

今の自分の便利な生活を維持するための延長やとしたら、

なんで、イラクのなんの罪もない人たちがえぐい体験してんのや!!

戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない

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愛してるって、どう言うの?―生きる意味を探す旅の途中で

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